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ハルシュタット(1) [旅の想い出]

 前の会社での最後の欧州出張が昨年9月にあり、その時は珍しく週またぎの出張だったので、週末観光する機会がありました。行った先はハルシュタット(Hallstatt)、オーストリア中部の小都市です。

 日曜朝、グラーツを電車で出発します。7時20分発の電車でした。
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オーストリア連邦鉄道(ÖBB)に乗るのはその時が初めてでした。車室内は、
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4人が向かい合わせに座る席で、真ん中に小さなテーブルがあります。

 こちらの電車は発車前にジングルもアナウンスもありません。気がつくとすっと発車しています。最初は違和感がありましたが、慣れると静かで快適です。乗り心地はスムーズで、京急や横須賀線に比べるとずっと良かったです。
 グラーツを出て電車はしばらく北上します。日曜日の朝は乗客もまばらでした。駅を出て程なくすると、なだらかな牧草地とまばらなチロル地方的な民家と、その向こうに山といった景色が広がり、時折牛や羊が見えます。心が和む景色でした。
 途中で電車を乗り換えました。その後電車は西に向かい、それと共に牧草地的な景色の遠くに、徐々にアルプス的な急峻な岩山が姿を現わし、それがだんだん近づいてきます。
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 岩山の圧倒的な造形と巨大さは、実際に見ないとわからないです。写真に撮った瞬間に、陳腐な景色に変わってしまう感じで、不思議なものでした。やがて電車は深い深い谷あいを縫うように進んで行き、その谷あいを抜けて間もなく湖岸が目に入ってきました。それから程なく、10時半ごろハルシュタット駅に到着。単線の小さな駅です。
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駅からは湖畔に下る小道があり、その先に船着き場があります。そこからの湖畔の眺めです。

透明度の高い岸辺の緑がかった湖の色は、奥に行くとすぐに藍色に変わります。その湖を急峻な岩肌と森を抱く高い山がぐるりと取り囲み、山の上には青空が広がります。そして対岸には、伝統的なチロル地方の町並みが見え、湖面にはその町が鏡のように写っています。ダイナミックさと美しさを兼ね備えた景色で、「世界一美しい」と言われるだけのことはあると思いました。

しばらく待っていると、対岸から小さな船が来ました。

20人も乗れば一杯になりそう感じです。船の後部のデッキに出て景色を愛で、写真を撮っていると、ザルツブルク方面から電車が到着し、そこから大量の人が吐き出され、船着き場には長蛇の列です。8割くらいが日本人を含むアジア人だったでしょうか。船はたちまち日本の朝の通勤電車のようになりました。小さな船なので喫水が下がり、水面が近づきます。そんな状態で船は対岸に向け出発しました。
 10分ほどで対岸の小さな船着き場に到着です。対岸にも平地は少なく、多くの建屋は斜面の上に建っていて、それがこの街の景観を美しくしています。

船着き場の右手のやや高台に、教会が見えました。
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教会まで行ってみます。教会までの小道の両側には、
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この地方独特の木造の建屋が並んでいます。階段を下りてくる夫人の姿がクラシックな感じで、風景によく合っています。ここの教会には小さなカタコンブがあり、中に入ると四畳半ほどの広さの部屋の3方に、人骨と髑髏が積まれていました。髑髏はきれいに磨かれ、額に亡くなった人の名前と亡くなった年月日が書かれています。紋様が書かれているものもありました。
 教会からの帰り道からは、
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湖畔に立つ別の教会と、ハルシュタットの街並みが臨めます。美しい風景です。

教会を後にして、街中に入ります(続く)。
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