サマセット・モーム短篇選(上)(下) [本]
久しぶりにモームを読みましたが、稀代のストーリー・テラーと言われるだけあって、読者をぐいぐい引き込んでいく手腕は、改めて流石だと思いました。短篇の結末は、読み終わる前から予想できるもの、思いもしなかった意外な結末など様々ですが、「この結末は何を意味するのだろう…?」と考え込まされるような結末も何篇かあり、それが一番印象に残りました。
末尾の解説にあった「モームが一番描きたかったのは、人間に内在する不可解さである」の言葉が、その結末を一番良く説明するのかもしれませんが、何かそれだけではないような気もします。
大昔に読んだ長編の「人間の絆」や「月と6ペンス」も読み返してみたいですが、いかんせん、時間がないなあ。。
モームの短編で覚えているのは「雨」くらいでしょうか。
「人間の絆」は,確か,浪人中の予備校の寮(4人部屋)で,ひと晩に1冊ずつ読んだ記憶があります。その頃も,1日は24時間だったはずですが,たぶん,今とは比べものにならないほどの密度だったのでしょう。あるいは,社会人になってから,あまりにも実利的な世界に浸りすぎたがために,「人間に内在する不可解さ」を洞察しようとする意欲を忘れてしまったのか…。とりあえず,書店で手に取ってみるかな。
by Green Breeze (2010-10-28 23:43)
この短篇集、なかなか良いですよ。ただ、暇を見て読む程度だったので、2冊読破するのに数か月かかりました。。
by BlueCafe (2010-10-31 08:44)