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平潟湾のカモメ [想い出の一枚]

2016年の1月、金沢区の七福神巡りをしたことがある。その一つ瀬戸神社にお参りした後、道路向こうの琵琶島神社から平潟湾の写真を撮った。その日は雲一つない冬晴れで、平潟湾の向こうにシーサイドラインや野島がクリアに見えた。

自宅に帰ってパソコンで写真を見ると、その写真に一羽のカモメが写っていた。パソコン上で写真を等倍表示すると、カモメが羽を打ち下ろしながら鮮やかに飛んで行く様がくっきりと映っていた。カモメの目線まで感じられるような、そんな写真だった。使った機材がスマホではなく、CanonのG7Xで撮ったので、ここまで撮れたのかもしれない。野生の生き物の姿を鮮やかに撮ることは、素人には本当に難しい。偶然の機会に感謝である。下記に、等倍相当に見えるようにトリミングした写真を載せてみた。
20230702 2016 カモメ.jpg
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Graz空港のエスプレッソ [想い出の一枚]

Graz空港は、滑走路1本だけの小さな空港である。飛んでいる機体はE90などの小型ジェット機か、ウィーンからだとプロペラ機が飛ぶこともある。外資系の設備会社にいたころは、年数回ここに出張で訪れていた。当時は仕事に追い掛け回されていたので、夜滞在中のホテルでも仕事をすることが多かった。帰国日、Graz空港で重い荷物をチェックインし、身軽になってセキュリティをくぐると、成田か羽田に着くまでは仕事から解放される(当時はまだ機内WiFiという恐ろしいサービスはなかった)、ほっとする時間が待っていた。

セキュリティの先には待合エリアの他に、小さなDuty Freeのお店と、小さなカフェがあった。そのカフェでエスプレッソを注文するのを常としていた。滞在中、食事は近所のSPARでパンや惣菜などを買って賄っていたので、買い物をするたびに1セントやら5セントやらの小銭が溜まっていく。2.7ユーロ(当時)のエスプレッソは、たまった小銭を一掃して財布を軽くする上でも都合が良かった。搭乗手続きが始まるまでの1~2時間、ゆっくりエスプレッソを飲みながら、空と滑走路しか見えない空港ビルからの眺めをぼーっと見ながら過ごした。エスプレッソの写真を見ると、その束の間ののんびりした時間が思い出される。

これは最近ネスプレッソを購入する時にお店の人から教わったのだが、欧州の人は、エスプレッソにたっぷりの砂糖とミルクを入れて飲む人も多いのだそうだ。実際お店の人が作った砂糖・クリーム入りのエスプレッソは、ブラックとはまた別の美味しさがあった。今思えば、写真に写っている砂糖とミルクを全部入れて飲むのも試せば良かったと思うが、今となっては現地で試す由もない。
20230303 2018 Espresso.jpg

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冬の134号線 [想い出の一枚]

その年は中国出張から帰国した週の金曜日に、湯河原の旅館で泊りがけの忘年会があった。週末用事があったので、翌朝早々に宿を出て、家路についた。

その日は快晴ではなかったが、天気は良かった。江の島を過ぎ、134号線が海沿いを走るエリアで、信号待ちがあった。海の景色が良かったので、窓を開けて写真を撮った。当時はまだPS13シルビアに乗っていて、スマホではなくガラケーだった。ガラケーはSONY製で、当時としては画質が良く、短時間でカメラが起動できるのが売りだった。カメラを構えて一瞬で写真を撮り、窓を閉めるとまもなく信号は青になった。

帰宅して撮った写真をパソコンで見ると、水平線がほぼ0度を保っている。海の写真を撮る時、水平線が水平になるように撮るのは結構難しい。格子状の補助線を表示させて時間をかけて撮っても、パソコンで拡大してみると、微妙にどちらかに傾いていることはよくある。信号待ち時に半ばやっつけで撮ったにもかかわらず、水平が完璧に出ているのに驚かされた。

それだけではない。R134特有のワイヤー製のガードレールが、これまたほぼ完全な水平を保ち、しかもちょうど支柱がないエリアを撮った(支柱の影は見える)ので、ワイヤーが宙に浮いているように見える。道路や白線の水平も出ている。水平線と、ガードレールのワイヤーと、道路それぞれがきれいに水平を保ったこの写真は、自分的には「奇跡の写真」だと思っている。
20230210 R134 2009.JPG
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小道 [想い出の一枚]

その小道は、ドイツ南西部の小さな町にあった。地球の歩き方にも載っていないような、小さな町だ。定宿にしていた小さなホテルから、スーパーに行くまでの近道で、食料調達のために何度もそこを通ったことを憶えている。道幅はおそらく40㎝くらい。自転車とすれ違うためには草むらに入らなければいけない位細いその道は、ほぼ真っ直ぐに、200m以上は続いていた。草むらの左手は森に、右手は少し整地された芝生のような空き地が広がっていて、そこでは子供たちがよくサッカーをしていた。その風景を遠目に見ながら、爽やかな夏の日々、この道を随分と往復した。

海外出張でいろんな場所を訪れ、多くの写真を撮ったが、一番印象に残っている写真を挙げろと言われると、恐らくこの一枚になると思う。理由はわからない。欧州の片田舎の、何の変哲もない写真である。東山魁夷の「道」に通ずるものがあるかとも考えたが、それは違う。小学校のころ遊んで過ごした、実家周りの風景を想い起すかと言われると、そうでもない。何故かわからないが、心に残って離れない何かが、そこにはある。
20230209 2014 Wangen.jpg
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