下町ロケット [本]
久々に読んだ単行本が、この「下町ロケット」。元宇宙開発のエンジニアだった町工場の社長が、いろんな困難や紆余曲折を乗り越え、ロケットの重要部品を開発、搭載にこぎつける、といったストーリーです。学生の頃宇宙を目指していて、今は全く異なる業種のものづくりにかかわっている私としては、前々からこの本が気になっていて、滅多に買わない単行本を買って読んだ次第です。
ストーリーの中に展開されるいろんな場面、契約打ち切りや資金繰り、特許係争、開発や生産の現場、大企業とサプライヤの関係など、それぞれがリアルに描き込まれていて、一気に読んでしまいました。ものづくりにかかわっている人であれば、いろんな場面に共感できながら読めるのではないかと思います。エンディングも爽快で、なかなか良かったです。
ストーリー立てから、理系の人が描いたのかと思いましたが、作家の池井戸潤は元銀行員なんですね。その取材力には脱帽です。。
コンプリート・ビートルズ [本]
The Beatles Boxを購入後、Amazonで見つけたのがこの本。値段も手ごろだったので買ってみました。内容は、The Beatles Boxに収録されている各アルバムの紹介に加え、CDのリマスターにかかわったエンジニアのインタビュー等が載っているもので、どちらかというと入門者向けの本です。The Beatlesは好きなんだけど、実はRubber Soul以前のビートルズを良く知らなかった私のような人間にとっては、ちょうど良い内容でした。
The Beatlesのことは何でも知っていて、リマスター版の詳細が知りたいようなマニアの人にとっては、副題の「リマスターCD公式ガイド」と銘打っている割にはリマスター版に関する情報が多くはないので、物足りないかもしれません。。
蟹工船 (青空文庫) [本]
この間(実は年末)、小林多喜二の「蟹工船」を青空文庫で読みました。
この本はプロレタリア文学として有名ですが、読んで一番鮮明に印象に残ったのは、労働争議とか共産主義とかではなく、凄惨な環境で奴隷同然で働かされる当時の労働のあまりの過酷さです。小林多喜二は、それを自らが乗船していたかのように、臭いまで伝わって来るほどに生々しく描いています。この本が出されたのが1929年なので、僅か80年ほど前にこの描写に似た事実が実在したこと自体、ある意味戦慄すべきことだと思います。
この「蟹工船」を執筆した小林多喜二は当時26歳、その若さでの文章力には舌を巻きます。残念ながら多喜二は弱冠29歳の時に特高警察に逮捕され、その日のうちに拷問死するという、これまた壮絶な最期を遂げたそうです。そんな時代と環境に生まれなくて良かった、、というのが正直な感想でもあります。
しかし、ここ数年「蟹工船」が再び脚光を浴びていて、特に若年層の読者が多いと聞きます。このことは、「蟹工船」当時の苛烈な環境にはないにせよ、働く貧困層の増加など、いつのまにか変質してしまった今の日本の就業事情に、警鐘を鳴らしているような気がします。
この本はプロレタリア文学として有名ですが、読んで一番鮮明に印象に残ったのは、労働争議とか共産主義とかではなく、凄惨な環境で奴隷同然で働かされる当時の労働のあまりの過酷さです。小林多喜二は、それを自らが乗船していたかのように、臭いまで伝わって来るほどに生々しく描いています。この本が出されたのが1929年なので、僅か80年ほど前にこの描写に似た事実が実在したこと自体、ある意味戦慄すべきことだと思います。
この「蟹工船」を執筆した小林多喜二は当時26歳、その若さでの文章力には舌を巻きます。残念ながら多喜二は弱冠29歳の時に特高警察に逮捕され、その日のうちに拷問死するという、これまた壮絶な最期を遂げたそうです。そんな時代と環境に生まれなくて良かった、、というのが正直な感想でもあります。
しかし、ここ数年「蟹工船」が再び脚光を浴びていて、特に若年層の読者が多いと聞きます。このことは、「蟹工船」当時の苛烈な環境にはないにせよ、働く貧困層の増加など、いつのまにか変質してしまった今の日本の就業事情に、警鐘を鳴らしているような気がします。
サマセット・モーム短篇選(上)(下) [本]
久しぶりにモームを読みましたが、稀代のストーリー・テラーと言われるだけあって、読者をぐいぐい引き込んでいく手腕は、改めて流石だと思いました。短篇の結末は、読み終わる前から予想できるもの、思いもしなかった意外な結末など様々ですが、「この結末は何を意味するのだろう…?」と考え込まされるような結末も何篇かあり、それが一番印象に残りました。
末尾の解説にあった「モームが一番描きたかったのは、人間に内在する不可解さである」の言葉が、その結末を一番良く説明するのかもしれませんが、何かそれだけではないような気もします。
大昔に読んだ長編の「人間の絆」や「月と6ペンス」も読み返してみたいですが、いかんせん、時間がないなあ。。
「零からの栄光」 [本]
ハートカクテル [本]
パパラギ [本]
パパラギ はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集 (ソフトバンク文庫 シ 11-1)
- 作者: エーリッヒ・ショイルマン
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2009/02/18
- メディア: 文庫
学生時代に友人から借りて読んだ本が文庫版で出ていたので、何十年振りかで読み直してみました。これはサモア諸島の酋長ツイアビが、第1次大戦の頃のヨーロッパに滞在し、当時の文明(衣食住、お金、職業、メディアなど)について語ったものです。
これを読むと、我々がいかに「文明」というバーチャルな仕組みに毒されて、自然な暮らしとはかけ離れた生活を送っているかを、改めて実感させられます。この本が世に出てから今年でちょうど90年が経ちますが、この本が鳴らす本質的な警鐘は、むしろ強まっている気がします。
・・・てなことをブログで書いていること自体が、バーチャルワールドに捕えられていることに他ならないんですが。。。あまりパソコンや携帯に依存せずに、何とか生活の中に自然さを取り入れていきたいと思います。
江夏豊「左腕の誇り」 [本]
今日もカープはマエケンで勝ちました(^_^)v。マエケンいいピッチャーになったな。
この間、江夏 豊の「左腕の誇り」を読みました。江夏といえば、カープが史上最強だった頃の抑えの切り札ですが、これを読むと、阪神~南海~広島~日ハム~西武と全キャリアを通じて、江夏は凄いピッチャーだったんだなと改めて感じされられます。本の中で「広島時代が最も幸福な時だった」と述懐しているのは、ファン冥利につきます。
…ただ、個人的にこの本の中で最も印象に残っているのは、広島時代、衣笠と高橋慶彦と江夏と福永トレーナーと4人でカラオケスナックを借り切って、夜通しアリスの歌を歌ったくだりです。想像するだけで思わずニンマリしてしまいます。。